メルボルンで物件を借りるコツ

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留学や駐在で住む、あるいはビジネス展開のため貸し店舗を探している…いずれにしても慣れない海外の街での賃貸物件探し、いろいろと不安がつきもの。またメルボルンの賃貸市場は大変な「売り手市場」で、いい物件を借りるのはとても大変。

弊社ではそんな皆さんに代わって、賃貸物件探しと契約を行うお手伝いもしています。

ここでは、メルボルンで不動産業に携わって40年、この街の事情を知り尽くしたブライアンが家や部屋を借りる際の流れと、その時どきにおけるちょっとしたコツについて、皆様に伝授いたします。

※この記事は法律アドバイスではありません。不動産の購入や賃貸に関するより詳しい内容は、直接ご相談ください。

1: インスペクション(現地見学)に行く

コツその1:自分が気持ちよく住める土地かどうか見る

 物件の現地見学のことを「インスペクション」と言い、メルボルンの不動産業者はたいてい物件ごとに日時を決めて、ウェブサイトなどで告知しています。インスペクションのために物件を開けている時間は通常15分間。短い時間なので時間通りに行くことが大事です。また少し早めに行き近辺がどんなエリアか、街の雰囲気を見ること。一番重要なのは安全な街かどうかです。

 街を見る際の一番のポイントは、ゴミなどが道にあって汚かったりしないか。汚いところは安全ではないことが多いですから。また近所にはどんな家やフラットがあって、どんな人が住んでいるのかもできるだけチェックしましょう。実際に住んでみて発生するご近所関係の苦情というのは、たいがいが夜の騒音についてですが、インスペクションは日中なのでそこは判断が難しいところです。ただどんな人が住んでいるかを見ることで、多少予測することもできるでしょう。

 とにかく自分が気持ちよく住める街かどうかを見るのが大事です。

コツその2:常識的な目で物件をチェック、気になることはどんどん質問する

 実際の物件を見る際には、基本的には「常識」的な目で見ればOK。あまりに汚かったり、不快感があるような物件はまずNG。全体としてよく手入れされていて清潔な印象があるかどうかが大事ですね。細かく見るべき点は、天井から水漏れはしていないか、カーペットにシミはないか、風呂場にカビがないか。

 要は「実際に生活する上で困りそうなこと」がないかどうか、しっかり時間をかけて見る。お隣のベランダもチェックしてみましょう。汚かったりしたら、やはり迷惑をかけられる可能性は高いですね。15分しかありませんが、できるだけ時間いっぱいかけて納得行くまで調べたり、質問したりしましょう。

2: アプリケーション(入居申し込み)をする

コツ1:「自分はいい入居者ですよ」ととにかくアピール!

 気に入った物件が見つかったら、不動産会社からもらったアプリケーション・フォームに記入して提出します。ただ、このフォームを提出する際「自分はいい入居者ですよ」と言う証拠をたくさん見せないと、入居は実現しません。

 今メルボルンは賃貸の需要が大変高く、空室率がたったの2.5%、つまり100の物件があったら空いているのは2.5件しかないんです。日本は20%近い空室率であることを考えると、大きな違いです。人気のあるエリアのいい物件に入居することは、自分がいい入居者であるというたくさんの情報提示をしない限り、難しいんです。

 数年前、知人が日本から来たばかりのころ、やはり賃貸物件探しに大変苦労して、結局エリアも物件もかなりランクを落とした上、家賃も高めに提示してようやく入居することができた、という経験をしています。いい物件を借りるのは、それくらい大変なんです。

コツ2:「いい入居者」とは、 定収入と金銭的な余裕があり、長く住みそうな人

 有利になるポイントは大きく2つあります。定収入があり、金銭的に余裕があること。そして長く住むという証拠があることです。逆に不動産会社が「この人には貸したくないな」と思うのは、職がない人や、これまでメルボルンで賃貸物件に住んだことのある履歴がない人です。

 まず収入という面ですが、アプリケーション・フォームには現在の雇用主を記入する欄があります。不動産会社は雇用主に電話をかけて、その人が本当にその会社で働いているかどうチェックもします。またもしその人が以前別の部屋を借りていたことがある場合は、そこを管理していた不動産会社にも電話をかけて、問題などなかったかを確認します。

 オーストラリアには日本のような「保証人」と言う制度がないため、いかに「毎月きちんと家賃を払えますよ」という証明をしっかりするかが大事です。例えば家賃が毎週350AUDのところなら、半年は払える貯金がある、つまり100万くらいの貯金があるという証拠も提出したいですね。

コツ3:日本の貯金も「有利」な証拠!

 もし日本の銀行に100万円とか200万円と言った、まとまった貯金があるなら、手数料はかかりますが日本の銀行に明細を英訳してもらって、それを提出するのも良いことです。日本にある親の会社の確定申告3年分を提出したという人もいますし、夫婦で仕事を持っている場合、いっしょにアプリケーションを出す人もいます。そうすることで「自分たちはお金に余裕がありますよ」と言う情報を渡すわけです。それによって入居が必ず確実になるわけではないのですが、自分のアプリケーション・フォームが「上の方に行く」、つまり当選の可能性は高くなるわけです。

 なるべく有利になるように、「自分にはお金があります」という証明はどんどん出しましょう。持っているお金が多ければ多いほど、自分のアプリケーションは上に行きます。申請にはスピードも大事ですから、インスペクションの時にはすべて書類を用意しておき、気に入ったらその日のうちにアプリケーションを提出する、ぐらいの心づもりでいるのがよいでしょう。

コツ4:「住む期間」は長ければ長いほど良い

 賃貸の契約期間は通常1年です。ただ期間は長ければ長いほど、不動産会社もオーナーもハッピーです。不動産業者も大家も物件を賃貸するには、数多くの規則や法令に従った面倒なペーパーワークを行わないといけません。だから短期間の契約のために手間をかけたくない、というのが本音です。また新しい入居者を探すには当然広告費もかかります。

 もちろん大家の事情でごく短期間の入居者を募る場合もありますが、普通は1年と考えてください。逆に大家側の理由で入居者が出ていかなければならない場合も1年の契約なら6ヶ月以内は追い出せないことになっています。

 アプリケーション・フォームの中に、なぜここに住むことにしたかという理由を書く欄があります。例えば「子供を近くの小学校に6年間通わせたいから」と書くと、大家はこの人は6年間動く可能性が少ないな、と思うわけで、有利な条件になります。「通勤に便利だから」と言う理由なら、今の仕事が安定していて長く勤めるという証拠が提出できればいいですね。

3: 入居する

コツ1:「コンディション・リポート」を絶対に忘れずに!

 入居にあたって一番大事なこと、それは入居した際の部屋の状況を細かくチェック、写真などで記録し、コンディション・リポートを不動産会社に送る、ということです。

 入居が決まると、入居者は部屋の鍵、契約書、そして「コンディション・リポート」と言う書類をもらいます。この書類は、不動産会社があらかじめその物件の状態について「ここに穴がある、ここに傷がある」など記入したものです。

 ただし怠慢な不動産会社になると(残念ながらメルボルンには結構あるのですが)、5年前のコンディション・リポートをそのまま使っているということもあって、最後にその部屋を出る時のトラブルになるケースが大変多いのです。

 賃貸物件の原則は「借りていた部屋を出る時は、壊したものは直し汚したものはきれいにし、元にあった状態に戻す」ということ。その「元にあった状態」の証拠となるのが、コンディション・レポートなのです。

 コンディション・リポートは、それを受け取ってから3日以内に不動産会社に送り返す必要があります。穴ひとつ、シミひとつまでを、引っ越して家具を入れてしまう前にチェックし、写真に取って不動産会社に送ると同時に、自分の方でも保管しておく。出る時になって、自分がやっていないことに対して「直せ、クリーニングしろ」と言われ、ボンドから引かれてしまうような状況にならないためにも、とても大事なことです。

コツ2:「ボンド」=「日本の敷金」は通常1ヶ月分

 日本では今、敷金礼金ゼロ、という賃貸物件が増えているようですが、メルボルンでは「ボンド」と言われる敷金を入居の際に不動産業者に払う必要があります。家賃が支払われない場合や、家屋の修理・クリーニングのために使われるもので、部屋を出る時に清算されるお金です。

 通常1ヶ月分ですが、違う場合もあります。

4: 住む

コツ1:壊れたものの修理は、大家に頼もう

 例えば屋根が壊れた、水漏れがする、ヒーターが壊れた…など、テナントが自分で壊したり汚したりした場合以外の修理は、基本的に大家の義務です。「私は屋根が壊れた家を借りたわけではない、水漏れした家を借りたわけではない。ヒーターが壊れている部屋を借りたわけではない」と言うことですね。大家はそういう時のために保険にも入っています。

 ガス、電気、水道などのインフラ、生活する上で欠かせない重要なものは、すぐに直してくれるケースが多いですが、そうでない場合は、時間がかかることも。修理をするには、まず不動産会社に連絡し、そこからオーナーに連絡、オーナーが「イエス」と言わないとやってもらえないからです。

 ただしこういった修理の依頼をする際も、電話やメールでがんがん言わないとダメです。オーストラリアは「うるさい人の苦情」からまず処理します。そこは日本人的にならず、遠慮しないでどんどん連絡しましょう。

 ただ不動産会社によってはどうしてもすぐに対応してくれない場合もあります。何もしないところ、してくれるところ、その格差がかなりあるのが現状です。「いい不動産屋」かどうか見極めるのも大事なところです。

コツ2:壊れたものの修理の依頼は、電話+メールで証拠を残しておこう

 もしも生活に支障があるのに直してくれないような場合、電話もして、メールもどんどんしましょう。メールを送ることで、修理の依頼から何日も経っているのに直してくれない、と言うクレームの証拠になります。

 自分で修理の手配をして後から費用を請求することもできますが、それも大家のOKが出ないとNG。そんな時に強く出るため、メールで証拠を残すことは大事です。

 修理の依頼に限らず、不動産会社への連絡はメールでやりとりを残すことが賢明です。特に先ほど言ったように不動産会社のスタッフ、賃貸物件を管理するプロペティ・マネジメントの人間は、1年もしないうちに辞めてしまっていることが多いので、以前担当者にした話ことが、後任者には伝わっていない、というようなこともたくさんあります。「言った」「言ってない」ということをなくすためにも、不動産会社への連絡事項は、必ずメールで残しておきましょう。

コツ3:リノベーションも時にはOK、上手な交渉で快適ライフ

 例えばクーラーがない部屋を借りたけど、暑いから取り付けたい。それには壁に穴を開ける工事が必要で、やはり大家からOKをもらう必要があります。

 OKとしてもらうには、例えば退去の時にクーラー本体を残していくから、といった場合。

 要は、その物件の「価値が上がる」ようなリノベーション、工事なら、OKというケースもあるのです(当然、お金は自分で負担することになるケースがほとんどですが)。

 うまく交渉することで、よりよい生活が可能になる、ということですね。

困った時には、BMG不動産へ!

 上記のコツを抑えたら、賃貸はそんなに難しいことではありません。

ただやはり海外の街で、慣れない英語で、対応するのはやっぱり心細いもの。

何か起こった時、オージーが苦情の電話をかけるのと、オージー以外の国の出身者がかけるのとでは対応が変わってくる場合があるのも、残念ながら事実です。

そんな時こそ、私たちのような、個人でやっている不動産業者をうまく利用してください!

 

 以前こんなケースがありました。

ある大きめのマンションを借りていた日本人の方が、帰国することになったのですが、部屋の1つで壁が結露して水が出て、絨毯がシミだらけになってしまっていたのです。もちろんその方に責任はまったくありません。

不動産業者に「絨毯を取り替えろ」と言われるのでは、と不安になったその方は、BMG不動産に連絡をしてこられました。

弊社のブライアンが見に行くと、その部分の壁に断熱材が入っていなかったという施行の不備がすぐに分かりました。それを不動産会社に申し立てたことで、その人は絨毯を取り替える費用数千AUDを払わずに済んだんです。

 不動産業界というのは、実はオーストラリアで法律的にもっとも規制の多い業界。州ごとにライセンスも違い、不動産会社を経営することのできるフル・ライセンスは4年間のディグリーで、たくさん勉強しなければ取得できません。良い不動産業者になるには、複雑な法律に関する知識、それを実地に活かせる豊かな経験を持っていることがとても大事。

その知識と経験があるブライアンと、日本語で、日本以上のきめ細かなサービスを提供する境田が、困った時には必ず、あなたのお力になります。

※この記事は投資アドバイスや法律アドバイスではありません。不動産の購入や賃貸に関するより詳しい内容は、直接ご相談ください。